— The Japan Times Weekend · Aug. 2022
日本でベーグルを花開かせ、育てていきたい ‘I just want to help bagels flourish and grow in Japan’
— INTRODUCTION
英字紙に掲載された、代表のインタビュー。
英字紙 The Japan Times Weekend の連載「20 Questions(20の質問)」に、日々ベーグル研究所 代表・島崎ふみ子のインタビューが掲載されました。聞き手は寄稿ライターのランス・ヘンダースタイン氏です。
人気のベーグル店を、なぜ「研究所」へと生まれ変わらせたのか。日本のベーグル文化を育て、これからのつくり手に生地とノウハウを手渡していく——その想いの原点が、20の質問を通して語られています。日々ベーグルの学校が大切にしている考え方そのものです。以下に、記事の全文(日本語版)をご紹介します。
— 20 QUESTIONS
20の質問
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01
How did you get your start as an entrepreneur?
起業のきっかけは何だったんですか?
当時は2人の息子を育てる専業主婦で。働きたい気持ちはあったんですが、子どもたちを鍵っ子にはしたくなくて。それで16年ほど前に、自宅でセレクトショップを始めたんです。古い着物をリメイクしたオリジナル商品を作ったり、自分が選んだ雑貨を販売したり、そんなところからのスタートでした。
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02
When did your focus on bagels come into the picture?
ベーグルに目が向くようになったのは、いつ頃ですか?
もともとパンが大好きで、おいしいパンを求めて全国を車で巡っていたほどなんです。意外に思われるかもしれませんが、ショップでもパンを扱っていたんですよ。そんな中、妹がパンやベーグルを自分で焼くようになって、これがまた本当に上手で。私の方にはレシピのアイデアがたくさんあったので、二人で形にしていきました。それで6年ほど前、「いっそ一緒にベーグル店を始めようか」って。
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03
Was the shop a success?
お店は順調でしたか?
はい、おかげさまで。始めた頃は近隣にベーグル専門店がなかったこともあって、いつも売り切れの状態で。最近は、頑張っているお店も増えてきましたね。実は、その本店を今月で閉めることにしたんです。
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04
Why did you decide to close the shop after all that success?
それだけ順調だったのに、お店を閉める決断をしたのはなぜ?
理由はいくつもあって。妹が結婚したことも大きいですし、ベーグル作りって本当に休む間もない仕事なんですよね。それに、息子たちも大きくなって、私自身も身軽に動けるようになったので。何より、自分のノウハウを共有していくほうが、もっと広く貢献できるんじゃないかと思ったんです。だからHibi Bagelは「Hibi Bagel研究所(Everyday Bagel Research Institute)」という形に生まれ変わって、日本のベーグル文化を支え、育てていく場にしていきます。
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05
That sounds like a big leap. Can you elaborate?
大きな方向転換ですね。もう少し詳しく教えてください。
小さな事業者さんにベーグル作りのノウハウをお伝えしたり、自前の設備がない方には生地そのものをお届けしたりしていきます。大手チェーンさんともご一緒して、オリジナルのベーグル開発をお手伝いすることもあります。こういったことって、自分でお店を回しながらだとどうしても難しいんですよね。
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06
Are there any specific projects coming up you are excited about?
いま特に楽しみにしているプロジェクトはありますか?
今NEXCO(西日本高速道路)さんとお話を進めていて、西日本のサービスエリア向けに、地元食材を使った特別なベーグルのラインを作る計画があるんです。詳細はまだ詰めている段階なんですが、本当に楽しみで。
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07
Do you have any advice for those who want to start their own bagel shop?
ベーグル店を始めたい方へアドバイスはありますか?
とにかくベーグルを心から好きでいてほしいです!情熱を注げないものをビジネスにしてはいけないと思っていて。私自身、いつもベーグルとレシピと、その可能性のことばかり考えているんです。もともと興味の幅は広いほうなんですが、思い切ってこの一つにエネルギーを注ぐと決めて。そうしたら、毎日が本当に充実するようになりました。
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08
You talk about creating Japanese bagel culture. What makes a “Japanese” bagel?
「日本のベーグル文化を作る」というお話ですが、そもそも「日本のベーグル」とは?
実は私、海外に行ったことがなくて、「本場の」ベーグルがどんなものかは分からないんです。でも、日本のベーグルはこうあってほしい、という思いはあって。お米を主食にしてきた私たちって、やっぱり「もちっ」とした食感が好きですよね。それから、地域の農家さんから旬の食材を仕入れて取り入れたり。ベーグルのレシピを、私はおにぎりを考えるような感覚で組み立てているんです。黒豆や枝豆みたいな、和の食材も大好きで。
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09
Are you using only Japanese ingredients?
材料は日本産だけを使っているんですか?
いえ、実は小麦粉はアメリカ産を選んで使っています。国産小麦は香りがとてもいいんですが、あのもっちりとした食感を出すには少し向かないんですよね。
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10
What's an especially Japanese bagel recipe idea you've had?
これまで考えた中で、特に「日本らしい」と思うベーグルのアイデアは?
「おせちベーグル」のセットを作ってみたいんです。おせちに使われる、それぞれ意味のある食材を取り入れたベーグルの詰め合わせ。お正月におせちを食べ続けて、途中で「ちょっとパンが食べたい」ってなる感覚、皆さん分かりますよね?
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11
A lot of people are avoiding carbs and gluten these days. Do you consider bagels a healthy food?
最近は糖質やグルテンを避ける方も多いですが、ベーグルは健康的な食べ物だと思いますか?
私は健康的だと思っています。ベーグル生地の材料って、卵も油も入っていないんですよ。腹持ちもよくて、カロリーも比較的低め。保存料なしで長く冷凍保存できますし、グルテンフリーやヴィーガン対応のものも作れます。シンプルで、ある意味とても完成された食べ物だと思いますね。
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12
Is there a proper way to serve a bagel?
ベーグルの「正しい」食べ方ってありますか?
「これが正解」というのは特にないですね。お好みで楽しむのが一番です。サンドイッチにしても、トーストしてバターを塗っても。私自身はプレーンが好きで、トーストせずに蒸して食べるんです。蒸すと本当にもちっとした食感と香りが立って、生地そのものの味がしっかり感じられるんですよ。
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13
Are there any ingredients you think don't work for bagels?
ベーグルに合わないと思う食材ってありますか?
うーん、たいていの食材は可能性があると思っていて。今だと醤油とクリームチーズの組み合わせを試しています。お漬物も合いますよ。バランスをとるのが大事ですね。最近は愛媛のみかんジュースを使っていて、これがとてもいい感じなんです。
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14
Kagawa is famous for udon. Do you think there might be a day when people associate Kagawa with bagels as well?
香川といえばうどんですが、いつか「香川といえばベーグル」と言われる日が来ると思いますか?
そうなったら本当に嬉しいですね。よくよく考えてみると、うどんとベーグルって材料が近いんですよ——小麦粉、塩、水。だから、自然とそうつなげてもらえる日が来るかもしれません。ただ、私自身がうどんを意識して作っているわけではないんですが(笑)。
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15
What are some misconceptions people in Japan have about bagels?
日本でベーグルが誤解されていると感じることはありますか?
多くの方が、ベーグルを食パンと同じような「パンの一種」だと思っていらっしゃるんですが、実はまったく別物なんです。ベーグルはしっかり水分を保ってくれるので、保存料を入れる必要がありません。冷凍すれば、ほぼ無期限に持つんですよ。冷凍庫に常備しておくのに、ぴったりな食べ物なんです。
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16
I definitely think of bagels as something to be bought fresh and eaten immediately. Do your customers freeze the bagels they buy from your store?
ベーグルって焼きたてを買ってすぐ食べるものだと思っていました。お店のお客様も冷凍されるんですか?
ええ、ほとんどのお客様が冷凍されていますね。1週間分くらい、いろんなフレーバーをまとめ買いして、冷凍庫にストックしておく方が多いです。
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17
Does that influence the ingredients you choose to use?
それは、使う食材の選び方にも影響していますか?
もちろん影響しています。地元の農家さんとも連携して、フードロス削減にも取り組んでいて。とうもろこしやほうれん草みたいに傷みやすくて、そのままだと廃棄されてしまいかねない食材も、ベーグルの具材にすると本当にいい仕事をしてくれるんです。
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Did those kinds of collaborations influence your decision to shift the company from a single store to a consulting and collaborative entity?
そういった連携が、単独店舗からコンサルティング・コラボレーション事業へ転換する決断につながったんですか?
そうですね、自分のこれまでの経験を活かして、日本のベーグル文化がこれからどう育っていくか、その形作りに関わっていきたいんです。他の方をライバルだとは全く思っていなくて。ただただ、日本でベーグルを花開かせて、育てていきたい。それだけなんです。
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19
So you supply smaller businesses with your dough and creativity?
小さな事業者さんに、生地とアイデアを提供していくということですか?
こんなふうに考えてみてください。うちの工房から生地を取り寄せていただければ、あとはオーブンと冷蔵庫さえあれば、焼きたてベーグルを出せるお店やカフェが開けるんです。夢を始める上での一番大きな壁——「初期コスト」を、ぐっと下げられるんですよ。
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20
If your latest venture is a success, how do you envision it in the future?
今回の新事業が成功したら、その先にどんな未来を描いていますか?
私がお届けする生地で、いろんな方が自分の生業を築いていけたら嬉しいですね。ベーグルのお店が、パン屋さんと同じくらい街にあって当たり前——そんな存在になってほしいんです。そしていつか、日本のベーグルの評価を、世界に向けて高めていきたい。それが私の願いです。
情熱を注げないものを、ビジネスにしてはいけません。私自身、いつもベーグルとレシピと、その可能性のことばかり考えているんです。
— LEARN WITH US
あなたの「ベーグル屋さん」を、一緒に。
記事で語られた「生地とノウハウを手渡す」という考え方を、いま日々ベーグルの学校が形にしています。家庭でじっくり学ぶエントリースクールから、開業を目指す3日間集中の開業クラスまで。